会長就任のご挨拶 

会長写真

このたび,2023年(令和5年)4月1日付で,静岡県弁護士会の会長に就任した杉田直樹と申します。

私は現在57歳,この就任日でちょうど満29年の弁護士経験となりました。

どうか私ともども,当弁護士会をよろしくお願い致します。

 

弁護士会とは,弁護士活動をする上で弁護士が必ず所属しなければならない団体で,原則として各都道府県ごとに置かれています。法律上,弁護士とは弁護士会の会員のことをいうのです。そうなると,弁護士と弁護士会のどちらが先に出来たのか,ニワトリと卵の関係のようにちょっと不思議な感じですが,ここでは深入りは致しません。

現在の当会こと静岡県弁護士会は,私が入会した当時と比べて倍以上の弁護士数(会員数)になり,2023年4月現在,530名余りの弁護士が県内におります。特に21世紀に入ってからは,従来は一人も弁護士がいなかった市町にも弁護士事務所が出来るなど,弁護士は皆さんにより身近な存在になりつつありますが,そうした状態に甘んじず,常に努力をしていきたいと思います。

 

弁護士の仕事の基本は,裁判所での訴訟や調停で代理人を務めること,また刑事事件の弁護をすることですが,それに留まらない活動は近年ますます増えています。

企業や官庁の中で働く組織内弁護士は,東京・大阪のような大都市に留まらず,静岡県内でも相当な数に上っております。

また,いわゆるスクールロイヤーとして,学校の問題の相談を受けることもあり,この4月には,県内で2例目となるスクールロイヤーの協定を浜松市教育委員会と結ぶ運びになっております。

昨年9月に襲来した台風15号による災害については,多数の弁護士が自治体その他に設置された相談場所で各種の法律相談に当たりました。私も何回か担当しましたが,相談内容の深刻さには本当に心を痛めました。この場をお借りして被害に見舞われた方々に改めてお見舞い申し上げます。この件の相談は今も当会が担当者を派遣しており,今後も出来る限りのお手伝いを続ける所存です。

当会としては,南海トラフ関連の大規模災害も予期した上で,様々な研修や訓練を行い,万一の事態にも備えているところです。

 

最後に,個人的な事柄に触れることをお許し下さい。

既に一部では報道がありましたが,私の父は,私が中学3年生の年の暮れに交通事故で瀕死の重傷を負いました。その事故の示談交渉の過程で,両親が静岡市内のある弁護士(既に引退)のお世話になったのです。

私の身内には,弁護士どころか大学を出た人間も殆どおらず,弁護士というのはテレビや映画で見るだけの存在でしたが,こうした経緯で,弁護士という職業を実際に見聞きして社会のお役に立てる素晴らしい仕事だと感じ,高校入学時には将来の進路として弁護士を考えておりました。

つまり,私は,父の交通事故という事態がなければ,全く違う仕事についていたかもしれないのですが,これは裏を返せば,皆さん,特に若い人が弁護士の仕事を身近に感じられれば,更に多くの有為の人材が弁護士の世界を志してくれるのではないかと思っております。それは,世の中一般にとって好ましいことでもあるはずです。

こうした意味で,弁護士は何も法廷活動に留まらず,社会のいろいろなところに出向いて活動することが重要であると思います。

そして,弁護士は,世の中のご期待に沿えるように,常に努力をして様々な活動に取り組んで参ります。

当会の多方面にわたる活動については,当会のホームページ(「静岡県弁護士会」と検索していただければすぐに出て来ます)をご参照下されば幸いです。

皆さまの変わらぬご理解・ご支援をお願い申し上げます。

 

2023年度(令和5年度) 静岡県弁護士会 会長 杉田 直樹

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