再審請求者に対する死刑執行に抗議する会長声明

  1.  2017(平成29)年12月19日,東京拘置所において2名に対して死刑が執行された。いずれも弁護人がついて再審を請求している死刑囚であった。
     なお,今回執行された者のうち1名は犯行当時19歳の少年であり,犯行当時少年であった者に対する死刑執行は,1997年8月1日執行の永山則夫元死刑囚以来20年ぶりである。
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  3.  再審請求者に対する死刑の執行は異例であるが,2017(平成29)年7月13日にも行われ,当会はこの様な執行に対して強く抗議すると共に,政府に対して二度と再審請求者に対する死刑を執行しないよう強く求めた(同年8月30日付け「再審請求者に対する死刑執行に抗議する会長声明」)。それにもかかわらず,再度,再審請求者に対する異例の死刑執行が立て続けに行われたことに対し,当会は,強い憤りを覚えるとともに,この様な死刑執行に強く抗議する。
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  5.  国は批判の声に対して,「再審請求権の濫用を許さない」,という趣旨の弁明を行っている。しかし,先の声明でも指摘した通り,いずれの再審請求が正当なもので,いずれの再審請求が濫用にあたるのか,その判断をするのは,一方当事者である法務省でないことは当然である。
     この様な運用を許せば,事実上再審を請求する権利を奪うことになり,その結果,誤判や冤罪が是正される可能性が奪われることになる。
     そして,いかに冤罪の疑いが濃厚な事件であっても,冤罪被害者本人の死刑が執行されてしまえば,死刑執行の既成事実はそこに後戻りを許さない壁となって立ちふさがる。失われた命は返ってこないばかりか,誤った裁判を正す機会も永遠に失われかねない。
     我々は,この様な方向につき進んでいく情勢を見過すことはできない。
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  7.  よって,当会は,今回の死刑執行に対しても強く抗議すると共に,改めて,政府に対して,二度と再審請求者に対する死刑を執行しないよう強く求める。

 

2018(平成30)年1月22日
静岡県弁護士会
会長 近藤 浩志

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