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「布川事件」の特別抗告に関する会長声明


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■ 「布川事件」の特別抗告に関する会長声明 ■
(2008.7.30)
  請求人櫻井昌司氏、同杉山卓男氏に係る再審請求事件、いわゆる「布川事件」について、2008(平成20)年7月22日、東京高等検察庁は、東京高等裁判所第4刑事部が下した即時抗告棄却決定に対し、特別抗告の手続きを取り、引き続き再審開始を争う姿勢を明らかにした。

 当会は、検察庁の特別抗告に厳しく抗議し、一日も早く再審公判が開始されることを訴えるものである。

 本件は、1967(昭和42)年8月に茨城県利根川町布川で発生した強盗殺人事件の犯人として請求人が別件逮捕され、代用監獄での取調べ過程で自白させられたものの、第一審公判開始以来今日まで一貫して無実を叫び続けてきた事案である。1978(昭和53)年に最高裁で上告棄却決定がなされ、無期懲役の判決が確定したが、本件確定判決の証拠構造は、請求人らと犯行を結び付ける物証は皆無で、有罪の根拠は曖昧な目撃証言と矛盾・変遷が顕著な請求人らの自白しか存在しないという脆弱なものであった。

 東京高裁の決定は、再審請求で提出された新証拠と、確定審で提出されていた旧証拠を総合評価して確定判決の検討を行い、目撃者供述の信用性と請求人らの自白の信用性のいずれについても重大な疑問があり、確定判決の事実認定に合理的疑いが生じているとして、水戸地方裁判所土浦支部の再審開始決定を支持した極めて正当なものである。

 しかも、再審開始の根拠とされた新証拠の多くは、弁護人の求めに応じて再審段階で検察庁から新たに開示されたものであった。こうした証拠が早い段階で開示されていたなら、そもそも請求人らが有罪判決を受けることがなかった可能性が高いのである。

 それにもかかわらず、発生以来既に41年を経過しているこの事件で、特別抗告により、いたずらに再審公判の開始を引き延ばすことは、公益の代表者たる検察庁のとるべき態度ではない。

 さらに、東京高裁の決定は、一旦否認した請求人らを拘置所から代用監獄に「逆送」して再度自白をさせたという捜査手法に対して、虚偽自白を誘発しやすい状況に請求人らを置いたと指摘しているが、これについてはまさしく典型的な代用監獄制度の弊害というべきである。

 また、同決定は、請求人らの自白を録音したテープについて、このテープが取調べの全過程にわたるものではないことを指摘して、自白の信用性の裏付けにならないとした。検察庁や警察庁が実施しつつある取調べの一部録画・録音では捜査の公正を確保することはできず、取調べの全過程の録画・録音が必要であることを示している。

検察庁は、東京高裁の決定が指摘した本件捜査の問題点について、真摯に反省し、自白偏重の捜査から脱却した適正な捜査を確立すべく努力すべきである。

当会は、布川事件について再審公判の早期開始を求めるとともに、来年に迫った裁判員制度の実施に向けて、二度と冤罪の悲劇を生むことのないよう、証拠の全面開示、代用監獄の廃止、取調べ過程の全面的な可視化実現などのために全力を尽くす決意である。
 

2008(平成20)年7月30日
静岡県弁護士会
会長  青 島 伸 雄
 

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