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個人住宅建設工事請負代金の支払金規制と

住宅完成保証制度の加入義務化を求める会長声明


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 浜松市に本社がある富士ハウス株式会社の破産によって、多くの個人注文者が損害を被った問題について、当会は次のとおり意見を表明する。

1 富士ハウス株式会社は、関東から近畿圏まで78支店を設け、144ヶ所の住宅展示場に出展する個人用の木造住宅ハウスメーカーであるところ、平成2129日、関連2社を含め総額638億円に及ぶ負債を抱えて自己破産した。

  同社は、着工時までに請負代金総額の70%の代金を支払うことを契約条件とし、さらに破産申立直前には、契約条件すら無視して70%を超える請負代金まで施主に前払いさせていたため、目的物が高価な住宅であることと相俟って、深刻かつ重大な消費者(施主)被害をもたらした。

2 そもそも、住宅建築工事に関する契約である請負契約は、請負人が仕事を完成させることを約束し、注文主がその仕事の結果に対して代金(報酬)を支払うことを約束するもので(民法632条)、代金は仕事の目的物の引渡と同時に支払われることを原則としている(同633条)。この原則どおりに代金が支払われていれば、今回のような重大な被害が生ずることはなかった。

したがって、富士ハウス破産事件と同様の被害を繰り返さないためには、日本弁護士連合会が提唱する「消費者のための家づくりモデル 日弁連住宅建築工事請負契約約款」に則り、完成建物の引渡と同時に工事代金を支払う旨を約定する必要がある。そして、仮にこの原則に則ることができない場合には、工事代金支払の時期や割合に制限を設け、工事出来高を大幅に超過する代金を支払わないようにする必要がある。この点、社団法人住宅生産団体連合会が平成21年3月27日に発表した「個人の注文者と住宅建設工事の請負契約を締結する場合の前払い金等に関するガイドライン」では、「契約締結時に代金の全額や高い割合の前払い金を受けることは避け、工事の出来高に照らして合理的な支払とする契約を締結するとともに、契約内容に沿った支払を受けるようにすること」を住宅建築業者に求めており、同ガイドラインの内容を早急に法制化する必要がある。

3 さらに、不幸にも建築業者が倒産した場合に、施主の被害を最小限に抑える制度として既に完成保証保険制度が存在しているが、業者倒産を前提とする制度であることや施主の保険料負担のために敬遠され、実際の利用件数は極めて低迷している。

既に「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品確法)が制定され、平成21年10月からは「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」(履行確保法)が全面施行されることになっているが、「国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展」(品確法1条)を図るためには、何よりも住宅を完成させなければならない。瑕疵担保責任の履行確保は、完成した住宅について発生する問題だからである。

とすれば、国は、履行確保法と同様に、建築業者に完成保証保険制度への加入を義務づけることで、国民の住宅完成に対する不安を払拭させるべきである。

4 結局、請負代金の支払方法は引渡時払いの原則を尊重すべきであるが、例外的に工事出来高に応じた都度払いを約定した場合には、建築業者に完成保証制度への加入を義務づける総合的な法制度を早期に策定すべきである。工事代金支払の時期や割合に制限を設けないままに完成保証保険制度が存在する現状下では、中小零細業者に対する保険料が割高となって必要な業者に対する保険制度の利用を期待することができないばかりか、実際に業者が破綻しても完成保証保険会社そのものの支払能力を超えてしまい、肝心の救済機能を発揮することができない破産事件も発生している。そこで、工事代金支払の時期や割合に制限を設けた上で完成保証制度を導入すれば、保険金支払いリスクが低減して保険加入率が高まり、加入率が高まれば建築業者の財務内容にかかわらず保険料を低額に抑えることが可能となって、建築業者に保険加入を義務づけることが可能となる、という関係にある。

国は、履行確保法と同様に、請負代金支払方法の定めと連動させた完成保証保険制度への加入を建築業者に義務づけることで、国民の住宅完成に対する不安を払拭させ、国民の重大関心事である安心できる家造りのための基盤整備を行う必要があると考える。


2009(平成21)年6月24日
静岡県弁護士会
会長  鈴 木 敏 弘
 

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