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個人情報保護法案等に反対する会長声明


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■ 個人情報保護法案等に反対する会長声明 ■
(2003.4.19)

 

  去る4月8日、個人情報保護関連5法(行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案,個人情報の保護に関する法律案,独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律案,情報公開・個人情報保護審査会設置法案,関係法律整備法案)が衆議院で審議入りし,現在,「個人情報の保護に関する特別委員会」で審議されている。
 これらの法案のうち、個人情報保護法案及び行政機関個人情報保護法案については、公的機関の個人情報の収集、利用を野放しにする一方、民間においては、メディアを含むすべての民間部門を規制する取材・表現の自由・国民の知る権利を侵害するものであったため、市民、メディア、日本弁護士連合会、当弁護士会を含む各地の弁護士会などからの強い批判を受け、昨年秋の臨時国会で廃案となった経緯がある。今回審議入りしたこれらの法案は、個人情報保護法案についてはメディア規制の批判を回避するため文言上の一定の配慮をし、行政機関個人情報保護法案については公務員の個人情報の不正な提供行為に罰則規定を設けるなどの部分的修正をしたものの、それ以外はまったく変っていない。いずれも、依然として個人情報の保護について看過できない重大な問題のある法案といわざるをえない。

【1】個人情報保護法案について

  1. 審議中の個人情報保護法案は、すべての民間部門を一律に規制するという基本構造をとっている。
    しかし、規制の必要性とその内容に関する社会的要請は、あらゆる民間分野において一律ではない。これを強引に一律に規制しようとすることは、一方で規制としてほとんど実効性を持たず、他方で規制が厳しすぎるという事態を必ず生じる。民間部門の中には、一方でメディア、弁護士・弁護士会、NGOその他の団体ないし個人があり、他方で個人信用情報を悪用する名簿業者などがある。
    これらを一律に規制する法案の構造は、前者については規制が厳しすぎその本来的な活動を抑制し、後者については規制としての実効性がない結果となる。
    当面、民間分野において至急実行されるべきは、個人信用情報、医療情報、教育情報などである。
    そこでの経験ないし実績をもとに他分野における個人情報保護制度が個別に作られて行くべきである 。
  2. 法案は、メディアの取材・表現の自由に対する配慮をしたとするが、「出版」が適用除外から外されており、また「報道」の定義の解釈につき、主務大臣の恣意性の入る余地があるなど、依然としてメディアの取材・表現の自由に対する侵害のおそれがある。また、インターネットその他の通信手段の急激な発達による高度情報化社会において、メディアのみならず、弁護士・弁護士会,NGO、個人なども情報を収集し、意見表明をする機会が増大している。しかし、法案は、これらについても、主務大臣の監督下におくとしており、これらの情報収集、意見表明の妨げ、表現の自由を侵害する危険性がある。

【2】行政機関個人情報保護法案について

  1. 審議中の 行政機関個人情報保護法案では,行政機関が「相当な理由」があると判断すれば個人情報の目的外利用ができ、他の行政機関に提供することができるとし、行政機関が必要に応じて広汎に国民の情報を収集・管理・結合し、行政内部で流通させることに法的根拠をあたえる内容になっている。
    かつ、思想、信条、病歴、犯罪歴などの他人に知られたくないセンシティブ情報の収集制限も規定していない。 
  2. 更に昨年8月に稼働を開始した住民基本台帳ネットワークシステムで国民全員に対し11桁の番号が付番されており、これにより個人が識別管理されることになる。本年8月からの住基ICカードの交付など住民基本台帳ネットワークシステムの本格稼働が予定されているが、このままでは個人情報はなんら保護されず、個人が行政の前に透明化される国民総背番号制を導く危険性が高い。

【3】あるべき個人情報保護制度と法案の抜本的修正の必要

  1. 住民基本台帳ネットワークの本格稼動を前にして、個人情報保護制度はまず行政機関による個人情報の秩序ある管理と濫用の防止のために早急に制定されねばならない。
    しかし、審議中の個人情報関連5法案は公的部門の規制を先送りし、反面、すべての民間部門を規制対象として厳格な構成要件によらずに両罰規定を含む罰則をおいているもので、個人情報保護の名のもとに民間の情報を国家がコントロールする民間情報規制法というべき危険性の高い法案であり、抜本的修正が必要である。
     これまで日本弁護士連合会は、個人情報保護法案については一律的な規制の見直しの必要性を、行政機関個人情報保護法案については,
    1.第三者機関の設置
    2.全個人情報のファイル作成
    3.利用目的の変更,目的外利用などの禁止又は本人への通知
    4.裁判管轄
    などを,制度の根幹にかかわる修正すべき課題として繰り返し提言してきた。   現在、特別委員会による集中的な審議が進められているが、これらの点を十分に審議、検討し、政府案に修正が加えられるべきである。これらの抜本的修正がなされない限り、当弁護士会は、これらの法案にあらためて強い反対の意思を表明せざるをえない。

平成15年(2003年)4月19日

静岡県弁護士会
 会長  河  村  正  史

 

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