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知って得する弁護士BOX


2007(平成19)年2月5日(月) 10時45分〜10時55分

ADRについて 1回目

弁護士 黒木辰芳

   
今日はADRについて伺います。ADRって何ですか?
耳慣れない言葉ですが、Altenanartive Dispute Resolutionの略で、日本語にすると司法制度外紛争解決機関という意味です。
みなさんは裁判所の調停、というものを聞いたことがあると思います。これは裁判所が中に入って争いごとを話し合いで解決するというような制度です。ADRとは、この制度を、裁判所ではない、民間などの機関で争いごとを解決する制度のことです。アメリカでさかんに行われていて、最近日本でも、弁護士会を始めとする色々な組織が各地で立ち上げています。
アメリカで盛んな理由はなんでしょうか。
日本でも言われていることではありますが、アメリカでも民事裁判がうまく機能していないところがあるようです。時間が掛かりすぎたり、問題の性質上裁判が望ましくないようなものがあるからだと言われています。
問題の性質で裁判が望ましくないとは?

たとえばセクハラなど被害者のプライバシーが重視される事件の場合、裁判は公開が原則です。このようなときは、非公開のADRが関係者にとって望ましいということになります。

なるほど。アメリカの様子を教えてもらえますか?
アメリカではADRのサービスを提供する団体が数千から数万もあると言われています。その中には、証券取引所協会とニューヨーク市が一緒になって設置しているものや、民間会社が行っているもの、退職された裁判官がやっているものまで、様々なものがあります。
おもしろいもの、変わっているものなどありますか?
みなさんも聞いたことがあると思うのは、大リーグの年俸調停といわれる制度です。これがアメリカらしいというか、日本人的考え方と離れているのは、選手と球団それぞれが自分の考える案を出して、仲裁人はそのどちらかを全面的に選ぶという仕組みなっているのです。選手と球団は、自分の案を選んでくれるよう、仲裁人にアピールしそうな案を工夫して作るようです。オールオアナッシング的なやり方で、足して2で割ったような考え方がよく行われる日本的調停とは大分考え方が違います。
日本的調停という話しがでましたが、日本の裁判所の調停は、どんな感じなのでしょうか。
一般的には「双方歩み寄って」という言葉がよく調停委員から使われます。
法律的にどちらが正しいかということよりも、双方の事情が重視されている印象を受けます。
ですから、あまり厳格な手続きがとられていないのですが、このため困ったことが起きたこともあると報告されてます。
困ったこととは?
離婚調停で、愛人を妻に仕立てて調停で離婚した、などということが実際にあったようです。もちろん、こんなことをしてもすぐにわかってしまうことですし、犯罪にもなってしまうことですが。
確かに困りますね。ところで、ADRは静岡でも始まるのですか?
3月から、静岡県弁護士会でも始まります。詳しくは、今行われている調停の仕組みと併せて、次回以降ご説明していきます。
 

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