会長就任のご挨拶 

会長写真

この度、2024年(令和6年)4月1日付けで静岡県弁護士会の会長に就任しました梅田欣一(うめだ きんいち)と申します。現在56歳です。

1999年(平成11年)4月1日から当会沼津支部にて弁護士活動を開始して現在に至っておりますので、キャリアはちょうど25年となります。

伝統ある静岡県弁護士会の会長に就任したことで、責任の重さを感じております。

 

弁護士会活動の中で重要なものの一つとして、災害対策があります

本年元日の午後4時過ぎ頃に発生した能登半島地震は、石川県を始め、富山県、新潟県及び福井県等の広範囲にわたって甚大な人的・物的被害をもたらしました。

この地震によって亡くなられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、厳しい状況の中で懸命の救援活動に従事される方々に深甚なる敬意を表します。

静岡県内においても、ここ最近、台風や土石流等の自然災害によって被害がもたらされておりますが、東海地震や南海トラフ地震がいつ発生してもおかしくないと言われております。

常時における災害対策の重要性を再認識しつつ、そのような自然災害に備えるとともに、日本弁護士連合会、関東弁護士会連合会及び日本司法支援センター(法テラス)を始めとした関係諸機関と緊密に連携して準備をしていきたいと思っております。

静岡県弁護士会の災害対策委員会の活動は全国に誇れる活動をしておりますので、その活動を執行部として全力でサポートしていきたいと思います。

 

再審法改正の問題については、袴田事件の再審開始が認められたことなどを契機として、大いに注目されております。えん罪救済を阻む現行法を見直し、公正・迅速な救済を実現するために、証拠開示の制度化、検察官抗告の禁止など再審法改正が一刻も早く実現するよう、袴田事件の当地である静岡県弁護士会として、出来る限りのことをやっていきたいと思っております。

 

裁判員制度については、本年5月21日で15周年を迎えます。被告人の防御権の実質的保障や裁判員の主体的な参加にかなっているのか、検証していきたいと思います。

 

地域司法の問題として、静岡地方裁判所沼津支部での労働審判手続実現に向けての活動があります。

労働審判手続とは、解雇や給料の不払など、個々の労働者と事業主との間の労働関係のトラブルを、その実情に即し、迅速(3回以内の期日)、適正かつ実効的に解決するための手続です。

現在、静岡県内では、静岡地方裁判所本庁と浜松支部において、労働審判手続が実施されておりますが、沼津支部においては実施されておりません。そのため、静岡県東部地域の住民や事業主が労働審判事件の申立てを行うためには、本庁のある静岡市までの移動を強いられることになり、結果として長期間の争いとなることが多い通常訴訟を静岡地方裁判所沼津支部に提起したり、訴訟外の争いに発展したり、あるいは申立てを諦めざるを得ないなどの事態が生じ得る状況となっております。

しかし、沼津支部は、本庁や浜松支部と対比しても、管内人口及び登録弁護士数ともにほぼ同様の規模であり、労働事件の発生数にも大差はないと見られております。国民に対する司法サービスの提供は、地域間で差があってはならず、国民の裁判を受ける権利を実質的に保障するためには、地方裁判所の支部において取り扱うことのできる事件を拡大することが必要です。

このように、沼津支部においても、本庁や浜松支部と同様に、速やかに労働審判手続が実施される必要がありますので、そのための活動に注力して行きたいと存じます。

 

会長に就任するにあたり、特別な政策がある訳ではありません。市民の皆様にとって、個々の会員にとって、弁護士会事務局や個々の事務所の事務局にとってどのようにすれば最適になるかという観点から、現行の制度の中で、不具合があるものについては改正し、重要な意義があるにもかかわらず停滞しているものがあったら活性化していきたいと思っております。

具体的に現在念頭にあるのは、土曜法律相談です。これは、静岡県弁護士会において、2018年度(平成30年度)から始まった制度ですが、土曜日に弁護士の法律相談に行きたいというニーズはあるはずなのに、現在のところ、静岡、浜松、沼津の3支部ともに利用数が低迷しております。

これを上記の観点から考察して、皆様に利用しやすい制度にしていきたいと思っております。

 

諸先輩方が仰っているとおり、私も、これまでの25年間育ててくれた静岡県弁護士会に対する恩返しの気持ちでいっぱいです。

大変な任務であることは重々承知しておりますが、どうせやるなら目一杯楽しんでやっていきたいと思っております。

どうか一年間宜しくお願い申し上げます。

 

2024年度(令和6年度) 静岡県弁護士会 会長 梅田 欣一

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